博物館における鑑賞体験の記念品化を目的とするナビゲーション端末操作ログからの印象深い展示物推定. 瀧平, 士., 莊司, 慶., 山本, 岳., 山本, 祐., 大島, 裕., 相原, 健., & 神門, 典. In 第12回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム 論文集, 3, 2020.
博物館における鑑賞体験の記念品化を目的とするナビゲーション端末操作ログからの印象深い展示物推定 [pdf]Website  abstract   bibtex   
本稿では,博物館内でのナビゲーションを行う iPad アプリケーションのログを分析することで,鑑賞体験そのものを記念品化したようなポストカードを生成するアルゴリズムを提案する.博物館や美術館において,インタラクティブなナビゲーション端末の登場に伴い,順路や見た展示物などの鑑賞体験が人によって異なる場合が増加している.現地の体験を思い出させ,記憶に定着させるきっかけのひとつに記念品があるが,ロゴや代表的展示物をあしらった従来の記念品では,このような個人化した鑑賞に対して十分な効果を発揮できない.そこで,ナビゲーション端末の操作ログを,印象や記憶に関する心理効果に基づいて分析することで,訪問者がどの展示物に強い印象を抱いたかを推定する.訪問者個人の印象に残った展示物を掲載したポストカードを記念品として配布することで,見返した際に鑑賞体験を強く思い返させ,印象をより深めさせたり,事後学習を促進できると考えられる.検証のため,国立民族学博物館の展示物データを用いて独自に開発したナビゲーション用 iPad アプリケーションである「みんぱくアプリ」のログから,実際にポストカードを生成する被験者実験を行った.「みんぱくに行く前日に下調べをする」というタスクにおける操作ログから,複数の検索モデルに基づくランキングを作成し,実際に記憶に残っているかをラベル付けした.これにより,博物館における印象深い展示物の推定に適したランキングモデルと,鑑賞体験を思い起こさせるのに有効な提示方法を明らかにした.

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