Mendeleyの誕生と衝撃は突発的なのか?:文献管理環境の変化から研究者コミュニケーションの将来を見通す. 林, 和. SPARC Japan NewsLetter No. 15, 2013.
Mendeleyの誕生と衝撃は突発的なのか?:文献管理環境の変化から研究者コミュニケーションの将来を見通す [link]Website  abstract   bibtex   
電子ジャーナルはもう当たり前の時代になった、という表現自体がもはや陳腐化してきた。今や学術情報受発信に関わる関係者にとって、学術情報流通を電子化することは少なくとも英語を主としてコミュニケーションを行う研究領域においては主目的ではなくなり、電子化された、あるいは元から電子的に生まれた情報をどのように研究者コミュニケーションに生かし、研究者の研究活動に役立てるかを考え、実行しなければならない。このような状況下で昨今注目を浴びているものの一つが文献管理ツールと、それを利用した研究者コミュニケーションの在り方についての議論である。昨年2011年と今年2012年に、いくつかのご縁が重なり、今もっとも注目を浴びている文献管理ツール、Mendeley の CEO である Victor Henning 氏と親交を深めることができた。Mendeley は学術論文版 iTunes とも呼べるものであり、次世代の文献管理ツールとも新しいソーシャルメディアとも言われている。昨年 Henning 氏の初来日時に企画した NISTEP 講演会「研究者間コミュニケーションを根本から変える文書管理の変革」1 とそれを短縮して翻訳した記事2 はそれなりのインパクトを与え、Mendeley の紹介3 図書館の視点から見た考察4 などに引用され、社会科学的な考察を喚起するにも至っている。5 Mendeley の登場がなぜ大きなインパクトを学術情報流通の世界に与え、彼がなぜ時の人となっているのか。この講演会を企画する際に、Mendeley がどのようにして生まれ、何を目指すのかについて、できるだけ学術情報流通の文脈に沿って Henning 氏から引き出すためにどのように構成したらよいか、大いに、かつ、楽しみながら悩んだ。ツールの説明や他の文献管理ツールとの比較としては、SPARC Japan セミナー6 の企画にも部分的に携わっていたこともあり、思い切って、彼自身の起業家としての生い立ちと、Mendeley を通じた研究者コミュニケーションの将来に主眼を置くことにした。その際、文献管理ツールのこれまでの生い立ちについても、研究者の情報管理環境とコミュニケーション手法から振り返り、その変遷を捉え直して考察した。その内容の紹介および、そこからある程度将来を見通すことを今回試みてみたい。
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